1. 規模と条件を入れる
プリセットは規模の目安のラベルで、特定の施設の値ではありません。「IT負荷」は契約上の受電容量ではなく、サーバー・ストレージ・ネットワーク機器が使う電力です。平均稼働率は「定格のIT負荷に対して、1年を通して平均で何%使っているか」です。
仮の値 電気料金の初期値 20円/kWh は計算を始めるための仮の値です(公的な平均単価ではありません)。特別高圧・高圧の単価は契約・地域・時期・燃料費調整で大きく変わるので、自分の契約単価(電力量料金の単価、または「年間の電気代 ÷ 年間の使用量」)を入れてください。
2. 結果(1年間)
3. PUEを改善したら、いくら変わる?
IT負荷・稼働率・単価は同じまま、PUEだけを変えた比較です。初期値の1.4は、日本の省エネ法ベンチマーク制度でデータセンター業が2030年度までに目指す事業者平均PUE(下の表)です。
PUEとは
PUE(Power Usage Effectiveness)は、データセンターの電力の使い方の効率を表す物差しです。The Green Grid が提唱し、国際規格 ISO/IEC 30134-2 で定義されています。サーバーなどのIT機器だけが電気を使い、冷却も電源のロスもゼロなら 1.0(理論上の下限)。PUEが1.5なら、IT機器が1使うごとに、冷却・電源変換・照明などでさらに0.5を使っている、という意味です。
電気代はほぼ「施設全体の電力」に比例するので、同じサーバーを動かしていてもPUEが1.5から1.4に下がるだけで、施設の電力は約6.7%(0.1÷1.5)減ります。大規模なほど金額の差が大きくなるのはこのためです。
目安になる値(出典つき)
| 項目 | PUE | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 世界のデータセンターの平均(Uptime Institute 年次調査) | 1.56 | 2024年調査。2020年以降は1.55〜1.59で横ばい。出典: Uptime Institute Journal(2026年10月確認) |
| 同 2007年調査の平均 | 2.5 | 出典: Upsite(Uptime調査の整理、2025年) |
| Google の全社平均(通年) | 1.09 | 2024年。2023年は1.10。出典: Google Data Centers「Efficiency」 |
| 日本の省エネ法ベンチマーク(データセンター業)の目標 | 1.4以下 | 2030年度までに事業者平均で。出典: 資源エネルギー庁「データセンターの省エネ」(2026年) |
Uptime Institute: journal.uptimeinstitute.com/large-data-centers-are-mostly-more-efficient-analysis-confirms/(2026年10月確認)/ Upsite: upsite.com/blog/data-center-trends-rack-density-rises-while-pue-and-outage-frequency-remain-flat/(2025年)/ Google: datacenters.google/efficiency(2025年)/ 資源エネルギー庁: enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/data_center2026.html(2026年)/ PUEの定義(The Green Grid・ISO/IEC 30134-2)の解説: Rittal(2026年10月確認)
計算式
年間電力量(kWh)= 平均の施設電力 × 8,760時間(365日 × 24時間)
年間電気代(円)= 年間電力量 × 電気料金(円/kWh)
改善の差額 = いまのPUEでの年間電気代 − 改善後のPUEでの年間電気代
1MW = 1,000kW、1GW = 1,000MW。金額は1万円未満を四捨五入して「億・万」で表示します。うるう年(8,784時間)は考えていません。
この計算に入っていないもの
これは電力量料金(使った量に比例する部分)だけの概算です。実際の請求には、契約電力で決まる基本料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金、燃料費調整額の変動、消費税などが加わります。また、PUEは季節や負荷で変わり、低負荷のときほど悪化しやすい値です。投資や契約の判断には使わず、規模感をつかむための目安としてお使いください。
関連
データセンターがこれ1つでわかるガイド:仕組み・世界と日本の最新動向・電力と冷却・建設費と人材を出典つきでまとめた読みもの。PUEやAIでGW級になる理由は「電力と冷却」の章へ。
しごとの計算コーナー:残業代・有給・営業日数など、仕事で使う計算ツールの棚。データセンターの概算ツールもここに順次まとめます。