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e-document act penalties

電子帳簿保存法に対応しないとどうなる——青色申告取消・重加算税10%加重を個人事業主向けに整理

C-KEI-10|初版 2026-08-09|改訂 2026-08-09|出典 4件

2024年1月から、メールやクラウドサービスで受け取った請求書・領収書などの「電子取引データ」は、紙に印刷せず電子データのまま保存することがほぼすべての事業者に義務化されています。「うちは小さい会社だから関係ない」「なんとなく紙で保存している」というひとり社長・個人事業主の方に向けて、対応しない場合に実際どのような罰則が想定されているのか、そして災害等でどうしても対応できない場合の猶予措置を整理します。

この記事の要点

想定される罰則は主に3種類

①重加算税の10%加重。税務調査でスキャナ保存や電子取引データ保存に関して、改ざん・仮装・隠蔽といった悪質な不正が見つかった場合、通常の重加算税(追徴課税額の35%)に加えて10%が上乗せされ、実質45%の重加算税が課される可能性があります(出典1)。これは単なる保存漏れではなく、意図的な不正が前提の措置です。

②青色申告の承認取消。2024年1月以降、電子データで受け取った請求書等を紙に印刷しただけの保存は認められません。ただし、災害などのやむを得ない事情がなく要件に不備があったとしても、それだけで直ちに青色申告の承認が取り消されるわけではありません。取消しの可否は、国税庁の事務運営指針「個人の青色申告の承認の取消しについて」(出典2)にもとづき、税務署が個別に検討したうえで判断します。取り消された場合は、最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰越控除などの特典が失われます。

③会社法上の過料。書類や帳簿の改ざん・不正などに該当した場合は、会社法976条違反として100万円以下の過料が科される可能性があります(出典1)。

「災害等やむを得ない事情」の猶予措置

電子帳簿保存法には、税務署長が「要件に従って保存できなかったことについて相当の理由がある」と認め、かつ税務調査の際にダウンロードの求めや書面の提示に応じられる場合には、保存要件(タイムスタンプ付与や検索機能の確保など)を満たしていなくても保存が認められる猶予措置があります(出典3)。資金繰りや人手不足を理由に環境整備が間に合っていない、といった事情も対象になり得ますが、電子データそのものの保存自体は必要で、完全に消失した場合は「保存すべき電子データがない」という扱いになる点には注意が必要です。

個人事業主が最低限やっておくべきこと

本格的なシステム導入が難しい場合でも、次の対応で保存要件の多くを満たせます。ファイル名に「日付_金額_取引先」の規則性を持たせて特定のフォルダに集約する方法は、訂正削除の防止に関する事務処理規程を整えたうえで運用すれば、真実性の確保の要件を満たす手段の一つです。また、基準期間(原則2年前)の売上高が5,000万円以下の事業者は、税務調査時のダウンロードの求めに対応できるようにしていれば、検索機能に関する要件がすべて不要になります(出典3)。会計ソフトの選定基準に電子帳簿保存法対応の可否を含めるとよいでしょう。3社の料金と対応状況は柱記事のひとり社長の会計ソフト選び 完全ガイド(C-KEI-P01)を、クラウド型とインストール型の違いはクラウド会計とインストール型の違い(C-KEI-07)をご覧ください。

迷いやすいのは「経費として落とせるか」ではなく「どう保存すれば要件を満たすか」という実務判断です。こちらも断定に頼らず、「経費になる・ならない」の調べ方(C-KEI-04)と同じく、一次情報を確認したうえで判断メモを残す姿勢が有効です【推定】。

電子取引データの保存要件はソフトの契約形態に関係なく必要になるため、対応機能を最初から備えたクラウド会計ソフトを選んでおくと後から慌てずに済みます。

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出典(脚注)

  1. 弥生株式会社「電子帳簿保存法に対応しないと罰則がある?違反防止対策も解説」(2026年8月4日更新) https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/oyakudachi/bassoku/
  2. 国税庁「個人の青色申告の承認の取消しについて」(事務運営指針) https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/shotoku/shinkoku/000703-3/01.htm
  3. 国税庁 電子帳簿等保存制度特設サイト https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm
  4. リーパル会計事務所「【2026年版】税理士の記帳代行の費用相場は月5,000〜5万円」内の電子帳簿保存法対応に関する解説(2026年7月28日最終更新) https://leapal.jp/blog/it-cloud/zeirishi-kichodaiko/

いずれも2026年8月9日閲覧

本記事は制度の一般的な解説であり、個別の保存要件の適合可否や青色申告取消しの判断を行うものではありません。必ず税務署・税理士にご相談ください。制度の詳細は必ず公式窓口でご確認ください。

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