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workforce numbers

介護人材難の数字と、記録業務削減が定着率に効く理由

C-KAI-04|初版 2026-07-18|改訂 2026-07-18|出典 3件

「人が足りない」は介護業界の常套句ですが、経営判断に使えるのは実感ではなく数字です。本記事では、公的な推計と調査の数字を出典つきで確認したうえで、なぜ今「採用を増やす」より「記録業務を削って辞めない職場を作る」ほうが合理的なのかを整理します。

需要側の数字——2040年度に約272万人が必要

厚生労働省が第9期介護保険事業計画に基づいて公表した推計によると、介護職員の必要数は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人とされています。2022年度の介護職員数は約215万人であり、2026年度には約25万人、2040年度には約57万人を追加で確保する必要がある計算です(出典1)。生産年齢人口が減り続けるなかで、この差を新規採用だけで埋めるのは、業界全体で見れば構造的に困難と言わざるを得ません。

供給側の数字——離職率は下がったのに、不足感は上がった

次に現場側の調査を見ます。公益財団法人介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」(2025年7月公表)によると、訪問介護員・介護職員の2職種計の離職率は12.4%で、前年度から0.7ポイント低下し2年連続の改善でした。ところが同じ調査で、人材が「不足している」と感じる事業所は65.2%と前年度より0.5ポイント上昇し、採用率は14.3%と前年度から2.6ポイント低下しています。訪問介護員に限れば不足感は83.4%に達します(出典2)。

この組み合わせが示すのは、「辞める人が減っても、入ってくる人がそれ以上に細っている」という構造です。採用市場の蛇口が細くなっている以上、事業所単位で打てる手のうち確実性が高いのは、今いる職員の定着率をさらに引き上げることだと読めます。離職率12.4%は平均値であり、事業所間の差は大きいはずです。平均より高い事業所には、まだ削れる離職が残っています【推定】。

なぜ「記録業務の削減」が定着に効くのか

では定着のために何を削るか。本サイトが記録業務に注目する理由は3つあります。いずれも上記の統計が直接証明するものではなく、公開情報と現場の構造からの推論であることを明記しておきます【推定】。

  1. 残業と持ち帰りの主要因になりやすい——記録はケアと違って「後回しにできる」ため、シフトの端に溜まり、サービス残業化しやすい業務です。前記事で見たとおり、AI音声入力ベンダーは1人1日40分規模の削減余地を訴求しており(出典3)、逆に言えばそれだけの時間が記録に費やされているということです。
  2. 「ケアをしたくて入った人」の失望を生む——介護職の志望動機は人への関わりであることが多く、書類仕事の比重が高い職場は「思っていた仕事と違う」という初期離職の引き金になりえます。
  3. 改善が全職員に毎日効く——賃上げには原資が要りますが、記録の削減は一度仕組みを変えれば全職員の毎日に効き続けます。処遇改善加算などの制度対応と並行して事業所の裁量だけで進められる、数少ない打ち手です。

順番の提案——測る、型にする、道具を選ぶ

本サイトの他記事と合わせると、打ち手の順番はこうなります。まず職員1人あたりの記録時間を1週間実測する(現状の数字を持つ)。次に「事実・解釈・依頼」の型(申し送り記事参照)観察10項目(気づき記事参照)で、書く内容そのものを短く濃くする。最後に、残った定型記録にAI音声入力などの道具を検討する(音声入力記事参照)。道具から入ると失敗しやすく、測定と型から入れば道具選びも精度が上がります。2040年度まで人材の需給が緩む見込みは、公表されている推計上はありません(出典1)。記録業務の削減は「あれば良い改善」ではなく、定着率という経営指標に直結する投資として扱う段階に来ています。

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定着率は記録負担だけで決まりません。離職要因を体系的に扱った実務書で自施設の要因を切り分けてください。

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出典(脚注)

  1. 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html
  2. 公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査 結果の概要(プレスリリース)」2025年7月28日 https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf
  3. 株式会社エクサウィザーズ「介護記録AIアプリ『CareWiz 話すと記録』」プレスリリース(PR TIMES, 2021年) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000030192.html

いずれも2026年7月17日閲覧

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