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why adoption fails

介護ICT導入がうまくいかない施設の共通点——機器を入れても「使われなくなる」理由

C-KAI-07|初版 2026-08-01|改訂 2026-08-01|出典 2件

補助金を使って機器を導入したのに、数か月後には紙の記録に戻っていた——介護ICTの現場では珍しくない話です。本記事は、介護記録システムを提供する事業者と経営コンサルティング会社の公開情報をもとに、導入が定着しない施設に共通するパターンを整理します。

使われなくなる4つの失敗パターン

介護記録・教育システムを提供するcarebase(ケアベース)の解説記事は、介護ICTの失敗を4つのパターンに集約しています(出典1)。

  1. 操作が複雑で現場に浸透しない——記録画面が多く入力場所が分かりにくい、ボタン配置が分かりづらいといった状態では、ICTに不慣れな職員ほど使わなくなります。導入前にデモやトライアルを現場スタッフに試してもらい、初めて触れる職員でも迷わず操作できるかを確認することが回避策になります(出典1)。
  2. コストが想定以上に膨らむ——初期費用だけを見て導入を決めると、月額利用料・サポート費・アップデート費が積み重なります。特に補助金を前提に導入した場合、補助期間終了後のランニングコストを見落とすと継続利用が難しくなります(出典1)。
  3. 現場の業務フローに合わない——紙記録とICT入力が併存して業務量がかえって増えたり、システムに合わせて無理に業務を変えて現場が混乱したりするケースです。現場の1日の流れをシステムに反映できるか、柔軟な設定が可能かを導入前に確認する必要があります(出典1)。
  4. 導入目的が曖昧——「便利そう」「補助金が出るから」という理由だけで導入すると、何を改善したいのかが職員に共有されず、効果を測る指標もないまま活用されずに終わります(出典1)。

失敗する施設に共通する3つの傾向

個別の失敗パターンに加え、carebaseの記事は失敗する施設に共通する傾向として次の3点を挙げています(出典1)。

この3点に共通するのは、いずれも「機器の性能」ではなく「導入プロセスの設計」に原因があるという点です。申し送りの型に関する記事で見た「誰が書いても伝わる型」の考え方と同じく、ICT導入も属人的な熱意ではなく、研修・現場の意見反映・業務全体の見直しという3つの仕組みが揃って初めて定着すると読めます【推定】。

「導入」と「定着」は別の工程——プロセス志向で見る視点

経営コンサルティングを手がける日本経営グループの解説記事は、ICTや介護ロボットの真の価値は導入そのものではなく、「現場に根付き、使われ続け、成果を生むこと」にあると位置づけています。そのためには入念な事前準備、現場との擦り合わせ、運用設計、振り返りのプロセスが必要であり、補助金制度を賢く活用しながら、自施設に最適な形でICTを導入することが重要だとしています(出典2)。

この視点を踏まえると、機器の選定に入る前に確認すべき問いは「どの機能が優れているか」ではなく「導入後、誰が・どのタイミングで・どう定着させるか」だと整理できます。介護ICT導入補助金の記事で見た制度要件のなかにも「第三者による業務改善支援を受けること」がパッケージ型導入の共通要件として含まれており、制度側もまさに定着プロセスの弱さを織り込んだ設計になっていると言えます。

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出典(脚注)

  1. carebase(ケアベース)「介護ICTとは?導入メリット・進め方まで解説【2026年版】」(執筆・監修: 川﨑翔太、公開日2026年7月8日) https://carebase.willgroup.co.jp/column/188/
  2. 日本経営グループ「介護現場のICT・介護ロボット導入を成功させるために -機器を使いこなす組織づくりと業務改善の視点-」 https://nkgr.co.jp/useful/care-quality-improvement-121364/

いずれも2026年8月1日閲覧。

制度の詳細は必ず公式窓口でご確認ください。

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