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comparison — cloud vs desktop
C-KEI-07|初版 2026-07-18|改訂 2026-07-18|出典 6件
本稿の問い
会計ソフトには、ブラウザで使い月額・年額で契約するクラウド型と、パソコンに導入して使うインストール型(デスクトップ型)があります。当セクションの柱記事会計ソフト選び 完全ガイド(C-KEI-P01)で扱った3社の法人向け主力はクラウド型ですが、弥生のようにインストール型の製品ラインを長く提供し続けている会社もあります(出典5、6)。本稿はこの2形態を、機能の多寡ではなく電子帳簿保存法(電帳法)対応の観点に絞って比較します。一次情報は国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイト(出典1)です。結論を先に言えば、契約形態で変わるのは「誰が更新作業をするか」と「データがどこに置かれるか」であり、保存義務そのものはどちらを選んでも変わりません。
この記事の要点
国税庁の特設サイト(出典1)は、電子帳簿保存法の制度を大きく3つの区分で案内しています。①電子帳簿等保存——会計ソフトで作った帳簿・書類を電子データのまま保存する区分。②スキャナ保存——紙で受け取った領収書等をスキャン画像で保存する区分。この2つは、要件を満たせば「紙に出力せず電子のまま保存してよい」という性質のものです。③電子取引データ保存——メールで受け取ったPDF請求書やネット通販の領収書データのように、最初から電子でやり取りした取引情報を、改ざん防止の措置・日付・金額・取引先による検索性などの要件を満たして電子のまま保存する区分で、国税庁は電子取引関係のページ(出典2)で要件と対応方法を案内しています。
会計ソフト選びの文脈で重要なのは、③はクラウド型を選んでもインストール型を選んでも、あるいは会計ソフトを使わなくても対応が必要になるという点です。「クラウド会計を契約したから電帳法は完了」という理解は、この時点で成立しません。自社がどの区分にどこまで該当するかの判断は、特設サイトの確認と併せて税務署・税理士に相談してください。
2形態の違いを電帳法対応の実務に引きつけると、次の表になります。どちらが上という表ではなく、「その違いを自社では誰が引き受けるか」を確認するための表です。
| 観点 | クラウド型 | インストール型(デスクトップ型) |
|---|---|---|
| 制度改正・様式変更への追従 | ベンダー側の更新がサービスに反映される方式が一般的。事業者側の更新作業は少ない【推定を含む一般整理】 | 更新プログラムの適用・バージョンアップが自社の作業になる。サポート期限切れの旧版を使い続けるリスク管理も自社側 |
| 帳簿データの置き場所 | ベンダーのサーバー上。手元のパソコンの故障には強い一方、解約後のデータ取り出し計画が必須(柱記事FAQ Q5) | 自社のパソコン・サーバー内。バックアップの設計と実行が自社の責任になる |
| 電子取引データの保存(出典2) | 証憑保存機能を使う場合も、保存ルールの整備は自社の仕事 | 同左。ソフト外のフォルダ運用で満たす設計も含め、自社の仕事 |
| 利用環境 | ブラウザとネット接続が前提。銀行明細の自動取込のような連携機能と相性がよい | オフラインでも動作する製品がある。連携機能は製品により異なり、クラウド併用型もある(例: 弥生のスマート取引取込・出典5) |
| 費用の形 | 月額・年額の継続課金(法人向けの公式料金は柱記事の比較表1) | 買い切り+保守・サポート契約の組み合わせなど製品による。総額は利用年数で比較する |
要するに、クラウド型は「更新とバックアップの実務をベンダーに寄せる」設計、インストール型は「自社の管理下に置く」設計です。ネット接続に依存したくない、データを手元に置きたいという要件が明確にあるならインストール型に理があり、更新・バックアップに自分の時間を使いたくないひとり社長にはクラウド型の設計が合いやすい——という条件の対応関係であって、優劣の順位ではありません。
電帳法には、一定の要件を満たす「優良な電子帳簿」について、あらかじめ届出を行うことで過少申告加算税の軽減措置の適用を受けられる仕組みがあり、国税庁がその届出手続を案内しています(出典4)。また、市販ソフトが電帳法の法的要件を満たすかどうかの確認を助けるものとして、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証制度があり、国税庁自身がJIIMA認証情報リストを公式サイトに掲載しています(出典3)。このリストにはクラウド型・インストール型の双方の製品が並んでおり、認証はクラウド専売の仕組みではありません。
実務の手順としては、①候補ソフトが該当区分の認証を受けているかをリスト(出典3)と各社公式ページで確認し、②優良な電子帳簿の扱いや加算税の軽減措置を使うかどうかは、要件・届出の要否を含めて税理士・税務署に相談して決める、の2段です。加算税の軽減はあくまで要件充足と届出が前提の制度であり、ソフトの導入だけで自動的に適用されるものではありません。
電帳法対応の観点での2形態の違いは、「義務の中身」ではなく「要件を満たす作業を誰が担うか」に集約されます。したがって選定の順番は、①電子取引データの保存ルールをどう作るか(出典2)を先に決め、②その運用を自社でどこまで担えるかで形態を選び、③最後に製品を比較する、が合理的です。製品比較の段階では、柱記事C-KEI-P01の比較表と選定フローがそのまま使えます。Excel帳簿からの移行を伴う場合はExcel経理からの乗り換え(C-KEI-05)を、請求書側の電子保存の流れは請求書〜入金消込の自動化(C-KEI-03)を併読してください。
クラウド型を選ぶ場合、更新作業をベンダー側に寄せられる分、日々の運用負荷を軽くできます。
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いずれも2026年7月18日閲覧。制度・認証・製品構成は改定されるため、導入判断の前に必ず各公式ページの最新情報をご確認ください
本記事は公式公開情報にもとづく一般的な整理であり、税務の個別判断を行うものではありません。電子帳簿保存法の要件充足・優良な電子帳簿・加算税の軽減措置など個別のご判断は、税務署・税理士等の専門窓口へご相談ください。
最終更新: 2026-07-18 | 参照した一次情報: 6件 | 本記事の推定を含む箇所には【推定】を明記しています | 誤りのご指摘はお問い合わせへ