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在職中に教育訓練給付金を使う——会社への申告要否とハローワーク申請のタイミング

C-MAN-06|初版 2026-08-08|改訂 2026-08-08|出典 3件

本稿の問い

  1. 在職中の自分は支給要件を満たしているか。会社に伝える必要はあるか。

「教育訓練給付は会社を辞めた人が使う制度」という誤解が根強くありますが、実際には在職中の会社員が最も多く利用している区分です。厚生労働省のQ&Aでも、一般教育訓練給付金の支給対象者は「雇用保険の被保険者(在職者)」と「被保険者であった方(離職者)」の2区分に分けて明記されており、在職者が対象から外れているわけではありません(出典1)。本記事は、在職中に申請する場合の支給要件と、会社への申告が必要かどうかを整理します。

この記事の要点

在職者の支給要件

一般教育訓練給付金の場合、在職者の支給要件は次の2つです(出典1)。

要件内容
受講開始日の被保険者資格対象講座の受講開始日において、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者であること
支給要件期間同一の事業主に被保険者として雇用された期間が通算3年以上(初めて教育訓練給付金を受給する場合は1年以上でよい)

支給要件期間は転職しても通算できる場合があります(被保険者資格を取得する前の1年以内に他の事業所で被保険者だった期間も通算対象・出典1)。ただし、過去に一度でも教育訓練給付金を受給したことがある場合は、その受講開始日より前の期間は通算されません。自分がこの要件を満たしているか判然としない場合は、ハローワークで「支給要件照会」を行うことで、事前に確認できます(出典1)。

会社に伝える必要はあるか

結論として、教育訓練給付金の支給申請は、原則として会社への申告や承認を必要としません。手続きはすべて、受講者本人が住居所を管轄するハローワークに対して直接行うものであり、雇用保険の加入手続きのように会社を経由する仕組みにはなっていません(出典2・3)。申請書類の提出先も受取先(振込口座)も本人であり、事業主への通知が制度上組み込まれている場面はありません。

ただし、次の2点は例外的に会社との接点が生じます。

①特定一般・専門実践の「追加給付」を受ける場合。専門実践教育訓練給付金は、修了後1年以内に目標資格を取得し雇用保険の被保険者として就職した場合、給付率が50%から70%(さらに賃金上昇要件を満たせば80%)に引き上げられます。この追加給付の支給申請には就職先事業主の証明が必要になるため、この場面では会社に知られることになります(出典3)。在職者が今の勤務先に継続して勤めながら追加給付の要件(雇用保険の被保険者となる就職)を満たすケースでは、現在の勤務先が証明の相手になり得ます。

②受講のために勤務時間の調整が必要な場合。制度上の申告義務ではありませんが、通学のためにシフト変更や休暇取得が必要になる場合は、実務上、上司や人事への相談が避けられません。この場合、給付金の受給有無とは関係なく、受講の事実自体は自然に伝わります。

申請のタイミング——在職中でも「受講開始日」が起点

在職者の場合、離職者のような「1年以内」という受講開始の期限はありません。被保険者である限り、いつ受講を始めても支給要件期間の要件(3年・初回1年)を満たしていれば対象になります。ただし、支給申請そのものには期限があります。一般教育訓練給付金は受講修了日の翌日から起算して原則1か月以内に支給申請を行う必要があり(出典2)、特定一般・専門実践は受講開始前の事前手続き(訓練前キャリアコンサルティング・受給資格確認)が必須です。事前手続きの詳しい時系列は申請から受給までの時系列手順を、区分ごとの違いは3種類の違い早見表をあわせてご確認ください。

在職者 受講開始日に被保険者であればOK 受講開始の期限なし 会社への通知は原則不要 離職者 離職日翌日から1年以内に受講開始 (延長申請で最大20年) 前職への通知は不要
図: 在職者と離職者は受講開始のタイミング要件が異なるが、支給申請自体は本人が直接ハローワークに行う点は共通出典: 厚生労働省Q&A~一般教育訓練給付金~をもとに当サイト編集部作成

なお、在職中に受講を開始した専門実践教育訓練を、受講の途中で離職した場合の扱いは複雑です。離職後に生活支援を目的とした「教育訓練支援給付金」(専門実践のみ・45歳未満等の追加要件あり)を受けられるかは、受講開始日時点で被保険者だったかどうかで判定されるため、原則として在職中に開始した受講を理由に途中から支援給付金を受けることはできません(出典3)。転職・離職を検討しながら受講する場合は、事前にハローワークへ個別相談することをおすすめします。

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出典(脚注)

  1. 厚生労働省「Q&A~一般教育訓練給付金~」(在職者・離職者の支給要件、支給要件期間の考え方) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197028.html
  2. 教育訓練給付金.JP「【会社にバレる?】教育訓練給付制度のデメリットと教育訓練を受ける前の注意点」(会社への通知が制度上組み込まれていない旨の解説) https://kyoikukunren.jp/a/288
  3. 厚生労働省「Q&A~専門実践教育訓練給付金~」(追加給付の要件と事業主証明、教育訓練支援給付金の受講開始時点の要件) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197058.html

2026年8月閲覧。要件・手続きは改正されることがあるため、必ず最新の公式情報とハローワークでご確認ください

本記事は制度の一般的な解説であり、個別の支給可否や会社への通知の有無を保証するものではありません。個別のご判断はハローワークへ。

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