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日商簿記2級の合格率はなぜ20%前後なのか——受験者データから見る難易度の実態

B-BOK-07|初版 2026-08-07|改訂 2026-08-07

問い簿記2級の合格率が回によって大きく揺れるのはなぜか。ネット試験と統一試験で何が違うのか。

簿記2級の合格率を調べると、「20%台」という要約と「40%を超える回もある」という数字が両方出てきます。矛盾しているように見えますが、これは試験方式(統一試験かネット試験か)集計する回・期間によって数字の出方がまったく異なるために起きています。本記事は日本商工会議所が公表している受験者データを直接確認し、合格率が動く仕組みを整理します。

この記事の要点

ネット試験の合格率推移 — 直近は30%台前半で安定

日本商工会議所が公表しているネット試験(CBT方式)の受験者データによると、2級の合格率は次のように推移しています(出典[1])。

期間受験者数合格者数合格率
2020年12月〜2021年3月29,043名13,525名46.6%
2021年4月〜2022年3月106,833名40,713名38.1%
2023年4月〜2024年3月119,036名41,912名35.2%
2024年4月〜2025年3月124,429名44,359名35.7%
2025年4月〜2026年3月141,072名46,351名32.9%
2026年4月〜6月33,659名10,749名31.9%

ネット試験導入初期(2020年12月〜2021年3月)は46.6%と高水準でしたが、その後は緩やかに低下しながらも30%台で安定して推移しています。受験者数自体は年々増加しており、2025年度は14万人を超え、2020年度の約5倍の規模に達しています。合格者数も毎年4万人を超える水準で推移しており、市場に供給される2級保持者の数は着実に積み上がっていることになります。

統一試験の合格率推移 — 回による振れ幅が大きい

一方、年3回実施される統一試験(ペーパー方式)の直近の合格率は次のとおりです(出典[2])。

回(実施日)実受験者数合格者数合格率
第168回(2024.11.17)7,589名2,187名28.8%
第169回(2025.02.23)7,118名1,486名20.9%
第170回(2025.06.08)5,383名1,193名22.2%
第171回(2025.11.16)6,332名1,492名23.6%
第172回(2026.02.22)6,038名911名15.1%
第173回(2026.06.14)4,821名728名15.1%

直近6回だけでも合格率は15.1%〜28.8%と、最大で1.9倍近い開きがあります。過去にはさらに極端な回もあり、第157回(2021年2月)は8.6%まで落ち込んだ一方、第146回(2017年6月)は47.5%に達した記録もあります(出典[2])。また、統一試験の受験者数自体がネット試験開始後に大きく減少している点も見逃せません。東京23区では2級の統一試験は実施されずネット試験のみとなっているなど、実施形態の違いも受験者数の推移に影響しています(出典[3])。

なぜ振れ幅が生まれるのか

日本商工会議所は、統一試験・団体試験(ペーパー方式)・ネット試験の3方式について「出題範囲や問題の難易度は同じ」としています(出典[1])。合格ラインもどの方式も100点満点中70点以上の絶対評価で共通です(出典[3])。問題の難易度が同じで合格基準も絶対評価であるにもかかわらず回ごとの合格率が変動するということは、変動の主因は問題の難易度そのものよりも、その回を受験した層の実力分布にあると考えられます【推定】。具体的には、出題内容によって連結会計・原価計算など特定の難所の配点が変わることに加え、統一試験は受験機会が年3回に限られるため「その回に照準を合わせて対策した受験者の割合」が回ごとに変動しやすい構造だと考えられます【推定】。

ネット試験の合格率が統一試験より高い傾向にある理由として、業界メディアの分析では「試験が随時実施され、不合格でもすぐに弱点を見直して再受験できる」ことが挙げられています(出典[4])。受験のハードルが低く再挑戦のサイクルが速い分、対策が仕上がった状態で合格に至りやすいという見方です。これから受験する場合、日程を選べるネット試験は、統一試験のような「年3回・一発勝負」の心理的プレッシャーを避けやすい選択肢だといえます。合格後にどう動くかについてはB-BOK-01(求人の実態)B-BOK-04(次の資格)で扱っています。

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日商簿記2級 合格率の推移 — ネット試験は安定、統一試験は振れ幅大 ネット試験(期間集計) 2021年度 38.1% 2024年度 35.7% 2025年度 32.9% 統一試験(直近6回) 第168回 28.8% 第172回 15.1% 第173回 15.1% 出典: 商工会議所の検定試験 受験者データ

脚注(出典)

  1. 商工会議所の検定試験 簿記 2級・3級受験者データ(ネット試験)(2020年12月〜2026年6月の期間別受験者数・合格者数・合格率。3方式とも出題範囲・難易度は同じとの記載あり)
  2. 商工会議所の検定試験 簿記 2級受験者データ(統一試験)(第101回〜第173回の回別受験者数・合格者数・合格率。第157回8.6%・第146回47.5%を含む全回のデータ)
  3. 商工会議所の検定試験 簿記2級(試験概要・合格ライン70%以上・受験料5,500円〔ネット試験は事務手数料550円別途〕)
  4. MS-Japan「【日商簿記2級の合格率と推移】最新試験結果や統一試験とネット試験の比較」(ネット試験の合格率が統一試験より高い傾向にある理由の分析)

文書番号 B-BOK-07 | 初版 2026-08-07|改訂 2026-08-07 | 参照した一次情報: 4件 | 合格率・受験者数は商工会議所の公表データにもとづき、以後の回の実施結果により変動します | 誤りのご指摘はお問い合わせ

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