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kikenbutsu / hoan-koshu
B-KIK-02|初版 2026-09-01|改訂 2026-09-01
問い免状を持っているだけの人に、保安講習の義務はあるのか。
免状が届いたあと、多くの人が最初に迷うのが保安講習です。「3年ごとに受けないと免状が失効する」という説明を見かけますが、これは正確ではありません。受講義務があるのは、危険物の取扱作業に実際に従事している危険物取扱者だけです。免状を持っているだけの人には受講義務がありません。この違いを法令と告示、都道府県の実務運用から整理します。
この記事の要点
根拠は消防法第13条の23です。条文は「製造所、貯蔵所又は取扱所において危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は、総務省令で定めるところにより、都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長その他の機関を含む。)が行なう危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けなければならない。」と定めています[1]。主語が「危険物取扱者」ではなく「危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者」である点が、この制度の設計を決めています。免状を取っただけで職場で危険物を扱っていない人は、この条文の対象外です。
言い換えると、乙4を履歴書のために取った人と、ガソリンスタンドや化学工場で実際に第4類を扱っている人とでは、免状取得後に発生する義務がまったく違います。免状交付の手続きを終えた段階では、まだ講習の義務は発生していないのが通常です。
受講期限は、従事の状況によって3区分に分かれます。埼玉県危険物安全協会連合会の解説では、次のように整理されています[3]。
| 区分 | 受講期限 | 典型的な人 |
|---|---|---|
| 継続して従事している | 前回の受講日以後における最初の4月1日から3年以内 | 同じ職場で危険物を扱い続けている人 |
| 新たに従事し、従事開始前2年以内に免状交付または講習を受けている | 免状交付日または受講日以後における最初の4月1日から3年以内 | 合格・免状取得から間もなく就職・配属された人 |
| 上記以外で新たに従事する | 従事開始日から1年以内 | 免状取得から時間が空いてから従事を始めた人 |
起算日が「従事開始日」ではなく「最初の4月1日」になる区分がある点に注意が必要です。同じ年度内に従事を始めた人でも、免状の交付日によって期限が変わります。制度の実施主体は都道府県知事であり、上記は同連合会の解説を二次情報として参照したものです。実際の期限は勤務先の所在地を所管する窓口で確認してください。
講習の内容は昭和62年11月24日消防庁告示第4号「危険物の取扱作業の保安に関する講習の実施細目」で定められています[2]。科目は2つで、「危険物関係法令に関する事項」(主として過去三年間における危険物関係法令の改正事項および危険物規制の要点)が1時間以上、「危険物の火災予防に関する事項」(危険物施設の火災及び漏えいの事例の動向並びにその原因及び問題点など)が2時間以上とされています。受講申請は個々の危険物取扱者による個別申請のほか、事業所単位の一括申請も認められています。勤務先がまとめて申し込む運用になっている職場が多いのはこのためです【推定】。
受講義務がある人が期間内に受講しない場合、消防法第13条の2第5項にもとづく免状の返納命令の対象になりえます。同項は「危険物取扱者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反しているときは、危険物取扱者免状を交付した都道府県知事は、当該危険物取扱者免状の返納を命ずることができる。」と定めています[1]。ただし「1回受け忘れたら即失効」ではありません。実務上は違反行為に点数を付けて累積で判断する運用があり、駿東伊豆消防組合の返納命令事務処理要領では、保安講習未受講(法第13条の23)の基礎点数は4点、最新の違反を起算日として過去3年以内の違反点数を合算する、と定められています[4]。
なお、この点数が何点に達すると返納命令になるのかは、参照した要領の本文には記載がなく、実際の判断は都道府県知事に委ねられています【要確認】。ウェブ上の解説には「3年で20点に達すると返納命令」と断定するものもありますが、当サイトが確認できた一次的な要領の範囲では裏づけが取れなかったため、本記事では採用していません。
脚注(出典)
文書番号 B-KIK-02 | 初版 2026-09-01 | 改訂 2026-09-01 | 参照した一次情報: 4件(推定箇所は本文に【推定】明記) | 誤りのご指摘はお問い合わせへ