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seisan / excel-tanaoroshi
B-SEI-01|初版 2026-09-20|改訂 2026-09-20
問い「生産計画は自分のExcelの中にしかない」という状態を、需要予測AIを検討する前にどう解消するか。
この記事の要点
ITmediaキーマンズネットが2025年6月に実施した調査(回答企業330社)によれば、日本企業のほぼ全てが業務ツールとしてExcelを何らかの形で活用しており、脱Excelに「取り組めていない」と回答した企業は65.8%にのぼります[1]。特に従業員100人以下の中堅・中小企業では、Microsoftのサポートが既に終了したExcel 2013以前のバージョンを使い続けている割合が14.3%と、規模の大きい企業と比べて倍以上の水準にあります[1]。この数字は、生産計画がExcelから離れられない状態を「担当者個人の怠慢」として片づけるのが的外れであることを示しています——脱Excelを検討すること自体が、多くの中小製造業にとってまだ手をつけられていない課題なのです。
同調査では、マクロ(VBA)の利用頻度についても「よく使っている」50.9%・「時々使っている」18.8%と、合わせて約7割の企業が何らかの形でマクロに依存していると回答しています[1]。用途としては「表計算・集計業務」75.2%が最多で、「データ分析・レポーティング」58.7%、「帳票作成」30.0%と続きます[1]。生産計画の属人化は、まさにこの「表計算・集計業務」の延長線上で、特定の担当者が作り込んだマクロや関数の組み合わせが、本人にしか読み解けないブラックボックスになっていく過程で起きます。
生産スケジューリングソフトウェアを提供するアスプローバのコラムは、生産計画の属人化について、高度な調整スキルや専門性を要する業務ほど特定の担当者に知識が集中しやすく、標準化・共有が難しくなる構造を指摘しています[2]。生産計画は「何を・いつ・どれだけ作るか」を決めるだけでなく、機械の空き状況・部材の入荷タイミング・人員の配置・急な仕様変更といった、日々変動する制約条件を頭の中で組み合わせる仕事です。この組み合わせ方(暗黙の優先順位のつけ方)こそが属人化の核心であり、Excelというツール自体の問題というより、制約条件が言語化・記録されていないことが根本原因です。
需要予測AIやAPS(Advanced Planning and Scheduling)ツールの導入を検討する前に、まず今の計画作成プロセスを次の3ステップで棚卸しすることを勧めます。
| ステップ | やること | 目的 |
|---|---|---|
| ①入力データの棚卸し | Excelシートに手入力している数字(受注残・在庫・稼働率など)を洗い出し、どのシステムから拾っているか出所を記録する | データの分断状況を可視化する |
| ②制約条件の言語化 | 「この機械は月末に段取り替えが多い」「A社の部材は納期が読めない」など、頭の中にある判断基準を文章化する | 暗黙知を明文化し引き継ぎ可能にする |
| ③例外対応ログの記録 | 計画通りに進まなかったケースと、その場でどう調整したかを最低1ヶ月分記録する | AIやシステムに任せられない判断の範囲を特定する |
この棚卸しをせずに需要予測AIやシステムを導入すると、①で洗い出すべきデータの分断がそのままシステムへ持ち込まれ、②の制約条件がツールに反映されず現場で「結局Excelで再計算」という二重管理に陥りがちです【推定・一般的な導入失敗パターンとして指摘される傾向】。棚卸しの詳細な進め方は次の記事(需要予測AIの前に揃えるべき3データ)で扱います。
脚注(出典)
文書番号 B-SEI-01 | 初版 2026-09-20 | 改訂 2026-09-20 | 参照した一次情報: 2件(推定箇所は本文に【推定】明記) | 誤りのご指摘はお問い合わせへ