本記事はアフィリエイト広告(広告枠)を含みます。広告掲載方針
soumu / kitei-kaitei-ai
B-SOU-02|初版 2026-09-07|改訂 2026-09-07
問い専門知識のない兼任総務が、AIを使って規程改定の初稿を早く作りながら、法的なミスを起こさないためには何が必要か。
この記事の要点
労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に対し、始業・終業時刻や賃金、退職に関する事項などを定めた就業規則を作成し、行政官庁(労働基準監督署)に届け出ることを義務付けています[1]。さらに同法第90条は、就業規則の作成または変更について、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数を代表する者)の意見を聴き、その意見書を添付して届け出ることを求めています[2]。つまり、規程を1条変更するだけでも「意見聴取→意見書添付→届出」という手続きが発生し、社内の文書更新だけでは完結しません。
兼任の総務担当者にとって負担が大きいのは、法改正のたびに「自社のどの規程が影響を受けるか」を洗い出す作業です。近年でも育児・介護休業法、労働安全衛生法(熱中症対策の義務化など)といった改正が相次いでおり、規程が現行法に追いついているかの点検には相応の時間がかかります。
AIチャットツールに規程改定の下書きを作らせること自体は、条文の言い回しを整える・新旧対照表を作る・改定理由をまとめるといった定型作業では有効です。一方で、次の3点はAIの出力をそのまま採用せず、必ず人(できれば社労士・弁護士等の専門家)が確認すべき領域です。
下書きの精度を上げるには、AIへの指示に①現行条文の全文、②変更したい趣旨(なぜ変えるか)、③根拠となる法令名・施行日(分かる範囲で)、④新旧対照表の形式で出力してほしい旨、の4点を含めることが実務的です。「〇〇法が変わったので就業規則を直して」という曖昧な指示だけでは、AIが古い情報や一般論で条文を作ってしまうリスクが上がります。根拠法令は必ず自分で一次情報を確認したうえでAIに渡し、AIには「体裁を整える」「新旧対照表を作る」作業に役割を限定するのが安全な運用です。
AIで下書きを作り終えても、就業規則の変更としての効力が生じるには、労働者代表からの意見聴取、意見書の添付、労働基準監督署への届出、そして労働者への周知(作業場への掲示・書面交付・イントラネット掲載等)まで完了させる必要があります[2]。この一連の手続きを年間業務カレンダーに組み込み、「規程を直した日」ではなく「周知まで終わった日」を完了日として記録すると、後から効力発生日を問われた際に説明しやすくなります。
脚注(出典)
文書番号 B-SOU-02 | 初版 2026-09-07 | 改訂 2026-09-07 | 参照した一次情報: 3件(推定箇所は本文に【推定】明記) | 誤りのご指摘はお問い合わせへ