KJL — 暮らしと商いの実務室

本記事はアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。

annual tax calendar

ひとり社長の経理年間カレンダー——12か月の締切と手続きを1枚にする

C-KEI-01|初版 2026-07-18|改訂 2026-07-18|出典 3件

本稿の問い

  1. 自社の1年分の締切は、いま1枚のカレンダーに収まっているか。

ひとり社長の経理が苦しくなる最大の原因は、作業量ではなく「いつ何が来るかを覚えていられないこと」です。法定調書、算定基礎届、年末調整、決算申告——それぞれは小さな手続きでも、不意打ちで来ると本業を止めます。本記事では、従業員0〜2人の法人を前提に、1年分の締切を月別の一覧表(年間カレンダー)にまとめました。まずこの1枚を壁に貼るかカレンダーアプリに写すことが、経理圧縮の第一歩です。

この記事の要点

年間カレンダー(ひとり法人の定例手続き一覧)

下の表は、役員1名(社長のみ)・給与支払あり・源泉所得税の納期の特例を適用している小規模法人を想定した定例手続きの一覧です。決算月は会社ごとに違うため、「決算月からの相対月」で書いた行はご自身の決算月に読み替えてください。期日が土日祝日にあたる場合は翌開庁日にずれます。正確な期日・様式は必ず公式窓口で確認してください

時期手続き窓口メモ
1月上旬〜20日源泉所得税(納期の特例分・7〜12月分)の納付税務署納期の特例適用時。原則は毎月10日納付(出典1)
1月末まで法定調書合計表・給与支払報告書・償却資産申告税務署・市区町村1月は書類の山。前年12月中に準備すると楽
毎月役員報酬の支払・記帳・証憑の保存役員報酬は原則、事業年度開始から3か月以内に決めた額で固定(定期同額給与)
5〜6月ごろ住民税(特別徴収)の新年度税額通知の確認市区町村6月支払分から新税額に切替
7月1〜10日社会保険の算定基礎届の提出年金事務所4〜6月の報酬で標準報酬月額が決まる(出典2)
7月10日まで源泉所得税(納期の特例分・1〜6月分)の納付税務署出典1
11〜12月年末調整(自分の給与分)税務署配布の手引きひとり社長でも給与を払っていれば対象
決算月在庫・売掛・買掛の棚卸し、決算前の数字確認決算月内に領収書・請求書の未回収分を回収しておく
決算月+2か月以内法人税・地方法人税・法人住民税・事業税・(課税事業者は)消費税の申告と納付税務署・都道府県・市区町村申告期限の詳細はタックスアンサー参照(出典3)

※ 従業員を雇っている場合は、労働保険の年度更新(例年6月1日〜7月10日)と住民税特別徴収の手続きが追加されます。

4つの「山」で覚える——1月・7月・年末・決算

表を眺めると、ひとり法人の定例手続きは実は4つの山に集中していることが分かります。①1月(法定調書・償却資産・源泉納付)、②7月(算定基礎届・源泉納付)、③年末(年末調整)、④決算月+2か月(法人税等の申告納付)です。この4つの山さえカレンダーに入れておけば、残りの月にやることは「記帳と証憑保存」だけになります。逆に言えば、毎月の記帳を止めてしまうと、山が来たときに数か月分の記帳をまとめて片づける羽目になり、山が二倍の高さになります。

特にありがたい制度が、源泉所得税の「納期の特例」です。給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、申請により、給与等から源泉徴収した所得税の納付を年2回(1〜6月分を7月10日まで、7〜12月分を翌年1月20日まで)にまとめられます(出典1)。ひとり社長はほぼ確実に対象になるため、未申請なら税務署への申請を検討する価値があります。

1 証憑を集める 領収書・請求書 2 記帳する 会計ソフトに入力 3 残高を照合 通帳と帳簿を一致 4 保管する 帳簿・書類の保存
図: 毎月の経理を回す4ステップ。これを月1回まとめて行うのが「月2時間」運用の骨格出典: 当サイト編集部作成

「月2時間」に近づける運用のコツ

毎月のステップ1〜4を月1回・2時間の枠で回すのが当室の推奨する型です。実際にかかる時間は取引件数によって変わりますが、月の取引が数十件程度のひとり法人であれば、銀行口座・クレジットカードを会計ソフトに連携して手入力を減らすことで、月2時間前後まで圧縮できる余地は十分にあります【推定】。連携の仕組みとソフトの選び方は会計ソフト3社の選び方で、売上側の流れの自動化は請求書〜入金消込の自動化手順で詳しく扱っています。

最後に重要な注意です。この記事の期日は執筆時点の制度にもとづく「定例の目安」であり、会社の状況(消費税の課税事業者かどうか、従業員の有無、決算月)によって、必要な手続きは増減します。ご自身の会社の申告期限・納付期限は、必ず国税庁タックスアンサー・所轄の税務署・年金事務所で確認してください。

会計ソフトの選定・料金・乗り換え時期(期首に合わせる段取り)は、柱記事のひとり社長の会計ソフト選び 完全ガイド(C-KEI-P01)で本カレンダーと突き合わせて確認できます。

年間の締切を1枚のカレンダーで押さえたあとは、実際の月次処理を自動化できるかどうかが「月2時間」を維持できるかを左右します。銀行明細・請求書を自動で取り込めるクラウド会計ソフトとの相性を確認しておくと運用が楽になります。

マネーフォワード クラウド会計を見る →

当サイトはA8.netのプログラムに参加する場合があります。料金・プラン内容は変動するため最新情報は公式サイトでご確認ください。(広告・PR)

出典(脚注)

  1. 国税庁 タックスアンサー No.2505「源泉所得税及び復興特別所得税の納期限と納期の特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2505.htm
  2. 日本年金機構(算定基礎届・社会保険手続きの公式窓口) https://www.nenkin.go.jp/
  3. 国税庁 タックスアンサー(税目別の申告・納付期限の一次情報) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/index2.htm

いずれも2026年7月18日閲覧

本記事は一般的な制度解説であり、税務の個別判断は税務署・税理士へご相談ください。制度の詳細は必ず公式窓口でご確認ください。

本記事の推定値には【推定】を明記しています | 誤りのご指摘はお問い合わせ

← となりナビ トップへ