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eisei / heat illness duty
B-EIS-08|初版 2026-08-31|改訂 2026-08-31
問い熱中症対策が義務化されたいま、衛生管理者が最初の1週間で用意すべきものは何か。
改正労働安全衛生規則(安衛則612条の2)により、2025年6月1日から、業種を問わずすべての事業者に熱中症対策が義務化されました(施行通達: 令和7年5月20日基発0520第6号[1])。対象は「熱中症を生ずるおそれのある作業」——WBGT(湿球黒球温度)28度以上または気温31度以上の場所で、連続して1時間以上または1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業です。オフィスでも、空調の効かない倉庫・屋外作業・厨房などがあれば対象になり得ます。「熱中症対策=水分補給の呼びかけ」で済むと思われがちですが、実際に法令が求めるのは体制と手順を文書で整え、周知することです。この記事では、義務の中身と、衛生管理者が最初にやる2つの作業を整理します。
この記事の要点
この規制の設計で見落とされがちなのが、業種で対象・対象外が決まるわけではないという点です。対象になるのは、WBGT28度以上または気温31度以上の場所で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業(施行通達)。製造業・建設業はもちろん、空調の効かない倉庫での出荷作業、屋外での営業・点検、厨房などがあれば、事務系の会社でも対象作業が発生します。WBGTの実測が原則ですが、通風のよい屋外作業では天気予報アプリや環境省「熱中症予防情報サイト」の値で判断してよいとされています(施行通達)。まず自社に該当作業があるかどうかの棚卸しが、衛生管理者の最初の仕事です。
| 義務 | 安衛則612条の2 | 想定される対応 |
|---|---|---|
| ①報告体制の整備 | 1項 | 自覚症状のある作業者・疑いのある作業者を見つけた人が報告する先(現場責任者等の連絡先・連絡方法)を事業場ごとに定める |
| ②手順等の作成 | 2項 | 作業からの離脱・身体の冷却・必要に応じた医師の診察や処置など、症状悪化を防ぐための措置の内容と実施手順を定める。緊急連絡網・搬送先医療機関の連絡先もあわせて定めておくことが望ましい |
| ③周知 | 1項・2項 | ①②を作業者に確実に伝える。掲示・メール送付・文書配布・朝礼での伝達など、複数手段の組み合わせも可 |
3つとも「対策をする」ではなく「決めて、周知する」ことが義務の中身である点がポイントです。裏を返せば、水分補給の声かけだけでは義務を果たしたことになりません。
報告体制と手順を作って周知しても、それが現場で機能しているかを継続的に確かめる仕組みがなければ形骸化します。衛生管理者には週1回以上の職場巡視義務(安衛則第11条)がすでにあるため、熱中症の項目を巡視チェックリストに追加するのが最も現実的な運用です。具体的な追加項目とWBGTの測り方・記録の残し方は巡視チェックリストに熱中症の4項目を足すにまとめました。まだ通常の巡視の型が固まっていない方は、先に週1回の職場巡視チェックリストで基本の15項目を確認してください。
安衛則612条の2の義務に違反した場合、労働安全衛生法22条違反として、都道府県労働局長または労働基準監督署長から作業停止・建設物等の使用停止/変更等を命じられる可能性があります(同法98条)。さらに行為者は6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(同法119条1号)、法人にも50万円以下の罰金(同法122条・両罰規定)が科される可能性があります(出典[1])。罰則の重さそのものより、「体制と手順を決めて周知していない」という未整備の状態そのものが是正指導の対象になる点に注意してください。個別の判断(自社の作業が対象に当たるかなど)は、所轄の労働基準監督署に確認するのが確実です。
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文書番号 B-EIS-08 | 初版 2026-08-31 | 改訂 2026-08-31 | 参照した一次情報: 2件 | 本記事の推定値には【推定】を明記しています | 誤りのご指摘はお問い合わせへ。あなたの職場の熱中症対策の運用例の寄稿も歓迎します。