データセンターの人材と人件費の積算

建設は「日額の単価 × 人数 × 日数」、運用は「年収 × 人数」で、職種ごとに人件費を積み上げます。単価の初期値は国交省の公共工事設計労務単価(令和8年3月・東京)です。

1. 建設フェーズ(職種別の単価×人数×日数)

職種単価(円/日)人数(人)日数(日)小計
電工電気設備の工事
配管工空調・冷却・衛生の配管
普通作業員資材の運搬・片付けなど
特殊作業員単価は全国の加重平均
その他の職種施工管理・とび工など自由に
建設の人件費 合計(労務単価ベース)
総人工(人数×日数の合計)
上乗せ込み(下の%を反映)

単価の初期値:電工 34,300円・配管工 30,100円・普通作業員 27,000円は、国交省の公共工事設計労務単価を使った東京都の工事設計単価(令和8年3月適用・東京地区・1日8時間)。特殊作業員 28,111円は同じ令和8年3月の全国の加重平均です(東京の値ではありません)。人数・日数の初期値は計算を始めるための入力値(仮)で、実際の工事の人数ではありません。

施工管理技士・とび工・鉄骨工などの単価は、今回は出典で確認できなかったので初期値を入れていません。「その他の職種」に自社や見積りの単価を入れてください。

2. 運用フェーズ(年収×人数)

職種年収(万円/年)人数(人)年間の小計
設備管理(ファシリティ)電気・空調設備の点検・保守
監視・運用(NOC)24時間の監視・障害対応
電気主任技術者電気の保安監督(選任が必要)
警備・セキュリティ入退館の管理・巡回
リモートハンド利用者の代わりの機器作業
運用の年間人件費(年収ベース)
運用の人数
上乗せ込み(下の%を反映)

入力値(仮) 年収の初期値は計算を始めるための仮置きで、統計や求人の値ではありません。職種別の年収は今回、公的統計(厚生労働省 job tag など)で確認できませんでした。自社の給与水準や委託先の見積りを入れてください。参考までに、電気工事従事者の全国平均年収は約551万円という第三者の算出があります(令和5年賃金構造基本統計調査をもとにした二次情報)。

人数の初期値(合計34人)も仮の値です。米バージニア州議会の調査機関 JLARC は、典型的な施設(約2.3万㎡)の運用を常勤約50人(うち約半数は委託)としています。

3. 会社が負担する上乗せ(任意)

労務単価は「手取り」でも「会社の負担総額」でもありません。公共工事設計労務単価は、公共工事の積算に使う1日8時間あたりの賃金の目安で、事業主が負担する法定福利費(社会保険料の会社負担分)などの必要経費は含みません(国交省の発表による)。年収も同じく、会社が負担する社会保険料や採用・教育の費用は入っていません。会社の負担まで見たいときは、自社の率をここに入れてください(初期値0%)。

建設と運用で、人の数はこれだけ違う

必要な資格(職種の例)

資格どこで要るか
第一種/第二種電気工事士建設:電気設備の工事(電工)
電気主任技術者(第三種・第二種・第一種)建設〜運用:自家用電気工作物の設置者は選任して産業保安監督部へ届出が必要(電気事業法第43条)。扱える電圧は第三種=5万V未満、第二種=17万V未満、第一種=上限なし。特別高圧で受電する大規模施設では第二種以上が要る場合が多い【推定:受電電圧による】
1級/2級施工管理技士(電気・管・建築)建設:工事の施工管理
配管技能士建設:空調・冷却の配管

資格と職種の対応は代表的な例です。現場の体制や役割分担は工事・会社ごとに違います。

計算式

建設の小計(円)= 単価(円/日)× 人数(人)× 日数(日)
総人工(人日)= 人数 × 日数 の合計
運用の小計(円/年)= 年収(万円)× 10,000 × 人数
上乗せ込み = 合計 ×(1 + 上乗せ% ÷ 100)

例: 電工 34,300円 × 20人 × 60日 = 41,160,000円 → 「4,116万円」。金額は1万円未満を四捨五入し、「1億600万円」のように億・万で表示します(1万円未満の小計は「0円」と表示されます)。

出典

東京地区の単価(電工34,300円・配管工30,100円・普通作業員27,000円・令和8年3月):東京都財務局「令和7年度東京都工事設計単価表(一部改定版・令和8年3月)」zaimu.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/zaimu/roumur080301(2026-03)/ 東京地区の単価(令和6年3月):東京都財務局 単価表 zaimu.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/zaimu/7roumur6(2024-03)/ 令和8年3月の改定(+4.5%・25,834円):国土交通省 報道発表 mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00337.html(2026-02-17)/ 事業主負担の必要経費を含まない旨:国土交通省 報道発表(令和7年3月適用)mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00261.html(2025-02-14)/ 特殊作業員の全国加重平均(28,111円):労働新聞「設計労務単価を4.5%引上げ 国交省」rodo.co.jp/news/214136/(2026-02)/ 建設ピーク・運用人数・雇用:JLARC「Data Centers in Virginia」fredericksburgva.gov/DocumentCenter/View/28959/JLARC---Data-Centers-Study_Report_120924(2024-12)/ 建設業就業者の推移:国土交通省資料(内閣府 規制改革推進会議 提出)www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2501_06ai/250508/ai04_0103.pdf(2025-05-08)/ 時間外労働の上限規制:群馬労働局資料 jsite.mhlw.go.jp/gunma-roudoukyoku/content/contents/001231476.pdf・岩手労働局資料 jsite.mhlw.go.jp/iwate-roudoukyoku/content/contents/kensetsujogenpoint_._36.pdf(2024年)/ 電気主任技術者の選任・届出と免状の区分:経済産業省 産業保安関連資料 meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2021/04/20210401-syuginaiki.pdf・東北産業保安監督部資料 safety-tohoku.meti.go.jp/electric/detail/01_jikayo/dl/253.pdf/ 電気工事従事者の年収(二次情報):atsoho.com/salary/jobs/electrician。 いずれも2026年10月11日に検索で確認(本文の直接確認ではなく、公表資料・記事の抜粋に基づく)。

使うときの注意

このツールは、人数と日数を入れて人件費の規模感をつかむためのざっくりした概算です。実際の工事費は、元請けの経費・下請けの構成・工期・地域・資格手当などで大きく変わります。見積り・入札・採用の判断には使わず、自社の数字や見積りで確かめてください。

Excel版(持ち帰り版キット)

データセンター概算キット(電力・冷却・建設費)Excel版:電力・冷却・建設費の計算を1冊のExcelにまとめた持ち帰り版(販売準備中)。計算するだけなら、このページの無料ツールで十分です。

関連

データセンターの建設費・人材・職種:必要な職種・資格・労務単価を出典つきでまとめたガイドの章。

データセンター建設費の概算:規模(MW)×1MWあたりの単価×為替で、建物・設備の建設費を億円で概算。

データセンターの電力・電気代計算機:IT負荷×PUE×8,760時間で、年間の電気代を概算。

しごとの計算コーナー:データセンターの概算ツールや、仕事で使う計算ツールの棚。