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ストレスチェックの実務 — 年1回の実施を回す段取りと、外してはいけない注意点

B-EIS-04|初版 2026-07-18|改訂 2026-08-31

問い年1回のストレスチェックを、担当者は何に触れずに回すか。

ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場で年1回の実施が義務です(労働安全衛生法第66条の10。条文: e-Gov法令検索[1])。総務兼任の衛生管理者が担当に指名されがちな業務ですが、この制度には「担当者が結果を見てはいけない」という独特の構造があり、善意で踏み抜くと法令違反になります。この記事では、年間の段取りと、担当者が外してはいけない注意点を整理します。実施方法の詳細は厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」に公式資料がまとまっています(出典[2])。

この記事の要点

制度の骨格: 誰が何をする制度か

役割担える人やること
事業者会社実施の方針決定・体制整備。ただし個人結果は本人同意なく見られない
実施者医師・保健師等(産業医が担うことが多い【推定】)調査票の選定への関与・高ストレス者の評価・面接指導の要否確認
実施事務従事者衛生管理者・総務担当など。ただし人事権を持つ者は不可調査票の配布・回収・データ入力などの事務
労働者全員(受検は義務ではなく、受けるよう努める位置づけ)受検・必要に応じて面接指導の申出

ポイントは、衛生管理者=実施者ではないこと。あなたの仕事は制度を回す事務と体制づくりであり、結果の医学的評価は実施者(医師等)の領分です。

年間の段取り(4フェーズ)

1計画・周知衛生委員会で審議 2実施配布・回収・督励 3面接指導申出→医師面接 4集団分析・改善結果報告→労基署
図: ストレスチェックの年間4フェーズ出典: 当サイト編集部作成(厚労省の制度解説をもとに整理)

フェーズ1(実施2ヶ月前〜): 実施時期・調査票・体制(実施者・実施事務従事者)を衛生委員会で審議し、社内に周知。フェーズ2(実施月): 配布・回収(紙またはWeb)。受検率を上げる督励はするが強制はしない。フェーズ3(実施後): 高ストレス者のうち申出があった人に医師の面接指導を設定。申出しやすい導線(人事を経由しない窓口)を作るのが担当者の腕の見せどころです。フェーズ4: 集団ごとの分析と職場改善、労働基準監督署への実施状況の報告(検査結果等報告書)。

担当者が外してはいけない4つの注意点

  1. 個人結果を無断で見ない・集めない。結果は実施者から本人に直接通知され、本人の同意なく事業者に提供されません。担当者が「善意で」結果一覧を人事に渡すのは重大な違反です。
  2. 人事権保持者を実施事務従事者にしない。体制図を作る段階でチェックします。
  3. 不利益取扱いをしない・させない。受検しないこと、面接指導を申し出たこと等を理由とする不利益取扱いは禁止されています。
  4. 制度改正の動向を追う。ストレスチェック義務の対象を50人未満の事業場へ拡大する法改正が成立し、施行日は2028年4月1日と政令で確定しました。複数拠点がある会社は対象拠点の洗い出しを2026〜2028年の準備期間に済ませておく必要があります(出典[2])。

集団分析を職場改善につなげる — 「やって終わり」からの脱出

制度を回すだけなら事務作業ですが、価値が出るのは集団分析(部署・課ごとの傾向分析)を職場改善につなげたときです。個人が特定されない規模で部署ごとの傾向を実施者に分析してもらい、負荷の高い部署の業務配分・長時間労働・コミュニケーションの課題を衛生委員会の議題に上げる——ここまでで制度が一巡します。11月前後の委員会テーマに組み込む案は年間ネタ帳に、日常の観察との接続は職場巡視チェックリストに書きました。なお、本記事は制度の一般的な解説です。メンタルヘルス不調者への個別対応は、産業医・医師・所轄の労働基準監督署等の専門窓口に必ずつないでください。

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脚注(出典)

  1. e-Gov法令検索(労働安全衛生法第66条の10)
  2. 厚生労働省 こころの耳(ストレスチェック制度の公式解説・様式)
  3. 安全衛生技術試験協会(衛生管理者免許制度)

文書番号 B-EIS-04 | 初版 2026-07-18 | 改訂 2026-08-31 | 参照した一次情報: 3件 | 本記事の推定値には【推定】を明記しています | 誤りのご指摘はお問い合わせ

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