1. ラックの数と種類を入れる
「ラックあたりの電力」を書き換えると、種類は自動で「任意」になります。プリセットの値の根拠は下の「ラックあたりkWの目安」にあります。
【推定】 1ラックあたり2.5m²は、計算を始めるための仮の目安です(出典のある標準値ではありません)。ラックを並べる部屋(サーバールーム)の、ラックとその前後の通路ぶんを想定しています。電気室・冷却設備・事務所などの設備スペースは別途で、建物の延床はこれよりかなり大きくなります。自分の想定があれば書き換えてください。
2. 結果
1MW = 1,000kW、1GW = 1,000MW。1,000kW未満はkW、1,000MW未満はMW、それ以上はGWで表示します(小数2桁まで)。「施設全体の電力」は冷却や電源ロスまで含めた、受電側で見た電力の目安です。
3. 国内外の大型計画と比べると
あなたの計算した施設全体の電力を、報道・発表された計画規模と並べます。右端は「その規模を、いまの条件(ラックあたりkW・PUE)で埋めるのに必要なラック数」の目安です。
計画値 いずれも発表・報道時点の計画値で、稼働済みの容量ではありません。「受電容量」「キャンパス全体の容量」など、数字の定義は案件ごとに少しずつ違います。比較は規模の感覚をつかむためのものです。
苫小牧(ソフトバンク 北海道苫小牧AIデータセンター、受電容量を300MW超まで広げる見込み): softbank.jp/business/service/platform/datacenter/tomakomai(2026年)/ 秋田(秋田県が誘致を発表した受電容量最大500MWのAI向けDC): 熊本日日新聞(共同)(2026-08-06)/ Stargate Abilene(テキサス、計画1.2GW): Epoch AI(2026年)/ Meta Hyperion(ルイジアナ、「数年かけて5GWまで拡大」との発言): DCD(2025-07)
ラックあたりkWの目安(出典つき)
| ラックの種類 | kW/ラック | 根拠・出典 |
|---|---|---|
| 一般的なサーバーラック(プリセット) | 10【推定】 | Uptime Institute 2026年調査では、ラック密度の最頻値が11kW(2025年は9kW)、30kW超向け施設を除く平均が7.8kW。その間をとった切りのよい目安として10kWを置いています(調査の値そのものではありません)。 |
| AIサーバー H100・空冷(プリセット) | 約40【推定】 | H100(SXM5)のTDPは700W。CPU・NIC・電源などを含めた1GPUあたりの電力は約1,275W(GPU 700W+その他 約575W)という推計があり、8GPUのサーバーを1ラックに4台(32GPU)積むと仮定すると 32×1,275W ≒ 約40kW(自前計算)。積む台数で大きく変わります。 |
| AIラック GB200 NVL72・液冷(プリセット) | 約120【推定】 | Grace CPU 36基+Blackwell GPU 72基を1ラックに収める液冷ラック。1ラック約120kW(SemiAnalysisはAC→DC変換損失込みで123.6kW)。 |
| (参考)施設側の上限の例 | 最大150 | MCデジタル・リアルティの印西「NRT14」(2026年4月開業)は空冷と液冷を組み合わせ、ラックあたり最大150kWに対応。 |
Uptime Institute Global Data Center Survey 2026: intelligence.uptimeinstitute.com/resource/uptime-institute-global-data-center-survey-2026(2026-07-29)/ H100のTDP: Morph(2026年10月確認・二次)/ 1GPUあたりの電力の推計(10万GPUクラスタ≒約150MW): NADDOD(2024年・二次・推計)/ GB200 NVL72: SemiAnalysis「GB200 Hardware Architecture and Component」・Introl(2025年)/ NRT14: ビジネスネットワーク(2026-04-08)
なぜAIデータセンターはGW級になるのか
同じ1,000ラックでも、一般的なラック(10kW)ならIT電力は10MW、GB200 NVL72(約120kW)なら120MWです。ラック1本あたりの電力が10倍以上に跳ね上がったので、AI向けの施設は数千〜1万ラック規模になると、PUEを掛けた施設全体でGW(1,000MW)に届きます。たとえば GB200 1万ラック × PUE 1.25 なら 1.5GW です。
H100を10万基並べたクラスタのIT電力は約150MWという推計もあります(NADDOD、2024年・推計)。1ラックに入るGPUが増え、GPU1基の電力も上がるほど、同じ床面積に必要な電力と冷却は大きくなります。GB200 NVL72のような高密度ラックは全面液冷が前提です。
電力と冷却がなぜ立地や送電網の問題になるのかは、ガイドの「電力と冷却」の章で出典つきで説明しています。
計算式
施設全体の電力(kW)= IT電力 × PUE
床面積の目安(m²)= ラック数 × 1ラックあたりの面積(m²)
計画規模を埋めるラック数 = 計画の電力 ÷(ラックあたりの電力 × PUE)
PUE(施設全体の電力÷IT機器の電力)の意味と世界・日本の目安は電力・電気代の計算機にまとめています。床面積は整数に四捨五入して表示します。
この計算に入っていないもの
ラックが常に定格いっぱいで動く前提の最大値の目安です。実際の平均電力は稼働率で下がります。冗長化(N+1・2N)のための予備設備、電気室・冷却設備・発電機・事務所などの床面積、敷地の広さは含みません。投資や設計の判断には使わず、規模感をつかむための目安としてお使いください。