製造現場AI研究室 溶接・製造現場の経営者/後継者/担当者向け実務情報

有効求人倍率2.67倍——溶接工の「求人が足りない」の実態を数字で読む

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が示す溶接工の有効求人倍率2.67倍(令和6年度)を、全産業平均・関連業種と比較しながら読み解きます。

更新日: 2026-09-13・出典2件・文書番号 A-YOS-06

2.67倍という数字の位置づけ

job tagの溶接工ページでは、令和6年度の有効求人倍率として2.67倍、求人賃金(月額)として25.4万円が示されています。有効求人倍率は「求職者1人あたり何件の求人があるか」を表す指標で、1倍を超えると求人数が求職者数を上回る「人手不足」寄りの状態、1倍を下回ると「求職者が仕事を選びにくい」状態を意味します。厚生労働省が毎月発表する一般職業紹介状況では、全産業計の有効求人倍率はおおむね1.1〜1.3倍程度で推移しており、2.67倍という数字は全産業平均の2倍以上の水準です。

関連業種と比較するとどう見えるか

専門的・技術的職業や建設関連の職種は、全産業平均より高い倍率になりやすい傾向があります。ハローワークの職業別有効求人倍率(中分類)の公開資料でも、専門的・技術的職業従事者の倍率は管理的職業従事者や事務的職業従事者より高めに出ることが多く、溶接工が含まれる技能工・生産工程従事者の区分もこの傾向に沿っています。単純に「2.67倍だから深刻」と捉えるより、「同じ技能系職種の中でどの位置にあるか」を見る方が実態に近づきます。

倍率の高さの背景には、需要側の要因(自動車・建設・インフラ更新に伴う溶接需要の継続)と供給側の要因(就業者の高齢化・新規入職者の減少)の両方があります。就業者数・平均年齢の統計は溶接業界の現在地(就業者数・平均年齢の統計)で扱っています。

倍率が高いことの経営上の意味

指標数値出典
溶接工 有効求人倍率(令和6年度)2.67倍job tag
溶接工 求人賃金(月額)25.4万円job tag
全産業計 有効求人倍率(目安)1.1〜1.3倍程度【推定・時期により変動】厚労省 一般職業紹介状況(各月)

倍率が高い状態が続くということは、求人を出しても応募が集まりにくい状態が構造的に続くということです。経営側にとっての選択肢は大きく3つ——①賃金・待遇面で他社より優位性をつくる、②省力化投資で1人あたりの生産量を上げて必要人数そのものを減らす、③外国人材や未経験者採用の間口を広げて教育コストを引き受ける、のいずれか(または組み合わせ)になります。②の具体的な制度は溶接機の入れ替えに使える「省力化投資補助金2026」で扱っています。

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