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溶接ヒューム個人ばく露測定の新ルール(2026年10月1日施行)を活かす4ステップ

A-YOS-04|初版 2026-07-29|改訂 2026-07-29

読了 約6分 | 施行まで残り約2か月(2026年7月29日時点)

金属アーク溶接等作業を屋内で継続して行う事業場では、2022年4月の経過措置終了以降、溶接ヒューム(国際がん研究機関IARCがグループ1=ヒトに対する発がん性ありに分類する物質を含む)の個人ばく露測定、濃度に応じた呼吸用保護具の選定・使用、特定化学物質作業主任者の選任、特殊健康診断の実施がすでに義務付けられています(出典1)。この体制がさらに一段引き締められます。厚生労働省が令和6年3月18日付で告示第93号「個人ばく露測定講習規程」を定め、2026年(令和8年)10月1日から、溶接ヒュームの濃度測定(および第3管理区分作業場所の呼吸用保護具選定のための個人サンプリング測定)は、第一種作業環境測定士等の資格に加えて、この告示が定めるカリキュラムの「個人ばく露測定講習」を修了した者でなければ実施できなくなります(出典2)。あわせて、これまで技術上の指針に基づく運用だった個人ばく露測定が、労働安全衛生法第65条の3に基づく正式な作業環境測定として位置づけられます(出典2)。

溶接ヒュームの個人ばく露測定義務化(2026年10月1日施行)を自社の体制整備に落とし込むには、労働安全衛生の実務書で全体像をつかむのが近道です。

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現行の義務(すでに施行済み・出典1)

項目内容
特定化学物質としての位置づけ溶接ヒュームを特化則の管理第2類物質に指定(令和3年4月1日施行)
個人ばく露測定作業方法の新規採用・変更時に濃度測定を実施。マンガンとして0.05mg/㎥以上なら追加措置
呼吸用保護具測定結果に応じた指定防護係数の保護具を選定し、1年以内ごとに1回フィットテストを実施
作業主任者特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習修了者から選任
特殊健康診断雇入れ・配置換え時および6か月以内ごとに1回、1次健診(既往歴・パーキンソン症候群様症状・握力測定等)を実施
記録の保存測定記録は3年保存、健康診断結果(個人票)は5年保存

2026年10月1日からの追加ルール(出典2)

ここに新たに加わるのが「誰が測定するか」という担い手の要件です。これまでは第一種作業環境測定士や作業環境測定機関など「当該測定について十分な知識・経験を有する者」という比較的幅のある基準で実施できましたが、2026年10月1日以降は、厚生労働大臣告示が定めるカリキュラムの個人ばく露測定講習を修了していることが必須になります(出典2)。測定を委託している事業者にとっては、委託先がこの講習を修了しているかどうかの確認が新たに必要になり、講習修了者が限られることで、繁忙期には委託費用が上昇する可能性も指摘されています(出典2の情報源による)。

この制度変化を活かす4ステップ

  1. ステップ1(今週)自社の測定体制を棚卸しする。現在、溶接ヒュームの濃度測定を誰が(自社担当者か外部委託か)行っているかを確認し、その担当者・委託先が個人ばく露測定講習の修了予定または修了済みかを問い合わせる。
  2. ステップ2(施行の2〜3か月前)委託先の確保を前倒しする。2026年10月の施行直前は駆け込み需要で講習修了者・委託枠が逼迫する可能性があるため、測定機関との契約更新・新規委託の相談は早めに行う。
  3. ステップ3(並行して)法定記録と技能伝承記録を同じ運用に乗せる。濃度測定結果・フィットテスト結果は法定で保存義務がある記録です。これを、棚卸しチェックリストで整理した溶接条件(電流・電圧・母材ごとの設定)の記録と同じ台帳・様式で管理すれば、コンプライアンス対応と技能伝承の記録化を一度の作業で両立できます。
  4. ステップ4(今期中)記録のデジタル化を一括して進める。測定記録(3年保存)・健康診断結果(5年保存)・フィットテスト記録・溶接条件記録をまとめてデジタル化すれば、労働基準監督署への提出対応や監査の際にも、紙の書類を探す手間がなくなる。

制度対応を「義務だからやる」で終わらせず、現場の記録体制そのものを整備し直す機会にできるかどうかが、次の10年の分かれ目になります。

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出典

(2026年7月29日閲覧)

  1. 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「金属アーク溶接等作業を継続して屋内作業場で行う皆さまへ」リーフレット。溶接ヒュームを特化則の特定化学物質(管理第2類物質)に指定(令和3年4月1日施行、経過措置は令和4年3月31日まで)。IARCグループ1(ヒトに対する発がん性)、酸化マンガン・三酸化二マンガンによる神経機能障害のおそれ、個人ばく露測定・呼吸用保護具の選定使用・フィットテスト・特定化学物質作業主任者の選任・特殊健康診断の実施義務、濃度基準マンガンとして0.05mg/㎥、測定記録3年保存・健康診断結果5年保存等を記載。 mhlw.go.jp(PDF)
  2. 中央労働災害防止協会(JISHA)「令和8年度からの個人ばく露測定に向けた体制づくり」および関連情報。令和6年3月18日付厚生労働省告示第93号「個人ばく露測定講習規程」が定められ、令和8年10月1日から適用。令和7年5月の法改正により、個人ばく露測定が労働安全衛生法第65条の3に基づく作業環境測定として位置づけられ、第3管理区分作業場所および金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場における個人ばく露測定は、告示が定めるカリキュラムの「個人ばく露測定講習」を修了した作業環境測定士でなければ実施できないと記載。 jisha.or.jp

※委託費用の上昇可能性についての言及は業界メディアの報道に基づくものであり【推定】、厚生労働省の公式見解ではありません。4ステップの提案は当サイト編集部が実務の型として整理したものです【推定】。

最終更新: 2026-07-29 | 参照した一次情報: 2件 | 本記事の推定値には【推定】を明記しています | 誤りのご指摘はお問い合わせ


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