SGL — 製造現場AI研究室

※本ページには広告(PR)を含む場合があります。アフィリエイトリンク経由のお申し込みで当編集部が報酬を受け取ることがあります。

security guard / capability review

AI警備システム・警備ロボットのできること/できないこと

A-KEI-03|初版 2026-07-22|改訂 2026-07-22

研究の問い: 警備のどこまでを機械が肩代わりでき、どこからが「人の判断」にしか残らないのか。

警察庁資料・実在ベンダーの公開情報に基づく整理(出典は文末)

「警備はもうロボットに置き換わる」という印象を持つ方もいるかもしれませんが、投資を検討するならどこまで実際に自動化が進み、何が依然として人の判断に残っているかを分けて理解する必要があります。本記事は、警察庁「省力化投資促進プラン ―警備業―」(令和7年12月)と、実在する国内ベンダーの公開情報をもとに整理したものです。

Amazonで「警備 AI 監視システム 導入 実務」の実務書を探す →

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

楽天ブックスで「警備 AI 監視システム 導入 実務」の実務書を探す →

当サイトはAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイト・プログラムの参加者です。書影・価格は変動するため最新情報は各商品ページでご確認ください。(広告・PR)

1. できること——監視・検知の自動化はすでに実用段階

警察庁の資料は、施設警備向けの「AI警備システム」について、防犯カメラに映る人の行動をAIが認識し、通常とは異なる行動を検知した際に即時通知する機能を持つと説明しています。人の目によるモニター監視が不要になるほか、見落としがちな迷惑行為・不審行動の早期発見や、迷子検索・車いす検知などの見守り機能、混雑状況の把握・人数カウントにも応用できるとしています(出典1)。雑踏警備向けには、雑踏事故・群集事故が発生する傾向をAIカメラが察知し、近くの遊撃隊員のウェアラブル端末に通知する「AI警備システム(雑踏警備)」も紹介されています(出典1)。実在するベンダーでは、ALSOKの警備・案内ロボット「REBORG-Z」が顔認証機能(事前登録した特定者リストとの照合による不審者検知)、異常音検知(悲鳴等の特定音声の検知・通報)、ガス検知、火災検知(赤外線カメラ・炎センサーによる検知と内蔵消火機能)、屋外対応(防水・防塵)といった機能を公式に提供しています(出典2)。

機械ができること/人に残ること 機械が担う(実用段階) 行動検知・異常通知 顔認証・異常音/ガス/火災検知 巡回・立哨・混雑カウント 労務・シフト・上下番管理 人が担う(現時点) 検知後の最終判断・臨場 交通誘導の物理的な合図 警備計画の立案・指揮 緊急時の意思決定
図: AI警備システムの役割分担出典: 警察庁資料・ALSOK公式情報をもとに当サイト編集部作成

2. 巡回・立哨ロボットも実在——ただし「置き換え」ではなく「分担」

自律移動型警備ロボットを開発する国内ベンダーSEQSENSE株式会社は2016年設立で、2017〜2018年頃にプロトタイプを完成させ、2019年8月には三菱地所が所有するオフィスビルで最初の1台の稼働を開始しました。同社の主力機「SQ-2」は360度を捉えるカメラを搭載し、監視室でリアルタイムに巡回の様子を確認できるほか、エレベーターと連動して複数フロアを自律的に巡回できる点を特徴としています(出典3)。警察庁の資料でも、警備ロボット・バーチャル警備システム・警備ドローンを活用した施設警備業務の省力化、交通誘導システムを活用した交通誘導警備業務の省力化が、省力化製品の代表例として整理されています(出典1)。いずれも「人の目によるモニター監視」や「単純な巡回」を機械が肩代わりする設計であり、異常を検知した後に現場へ駆けつけ対応する役割は人に残っています。

3. できないこと——交通誘導警備の死亡事故は依然として人が矢面に立つ領域

AI交通誘導システムは、接近する車両・歩行者・二輪車をAIが検知して音声で警備員に伝えたり、専用のLED表示板と連携して遠隔で誘導操作を行うことができるとされています(出典1)。しかしこれはあくまで警備員への通知・支援であり、実際に旗を掲げて車両を誘導する物理的な行為そのものではありません。警察庁の資料は、労働災害(死亡)の約半数が交通誘導警備業務中の交通事故によるものであり、令和6年には28名の警備員が殉職したと報告しています(出典1)。検知・通知の自動化が進んでも、現場で車両の前に立ち合図を送る最終行為は依然として人が担う領域であり、これが警備業の労働災害の主因であり続けている構造です。また、警備業務によっては警備員検定合格警備員の配置が法律で定められており、省力化製品の導入によって配置を削減できる場合とできない場合があることも警察庁資料は明記しています(出典1)。

4. 導入前に自社でやるべきこと

警察庁の資料では、警備業者の90%以上が警備員数100人未満の中小企業であり、ITツールの導入が進んでいないことが課題として指摘されています(出典1)。高額な警備ロボットを単独で導入する前に、まずは労務管理・配置シフト管理・上番下番管理・給与計算といった事務処理のシステム化から着手する方が、投資回収の見通しは立てやすいというのが警察庁の整理でもあります(出典1)。自社のどの業務がボトルネックかを見極める前提として、雑踏警備・立哨警備の勘所がどこまで言語化されているかは、棚卸しチェックリストで先に確認しておくと精度が上がります。

視座ステージ診断(無料・約7分・登録不要)— いま何を見て働いているかを20問で確かめる →

出典

(2026年7月22日閲覧)

  1. 警察庁「省力化投資促進プラン ―警備業―」令和7年12月22日(AI警備システム〔施設警備・雑踏警備〕・AI交通誘導システムの機能説明、省力化製品の分類、警備員検定合格警備員の配置要件、労働災害発生状況、中小企業のITツール導入状況) npa.go.jp(PDF)
  2. 綜合警備保障株式会社(ALSOK)公式サイト「警備ロボット『REBORG-Z』」製品ページ(顔認証・異常音検知・ガス検知・火災検知・屋外対応の各機能) alsok.co.jp
  3. JBサービス株式会社 導入事例「警備ロボットの運用サポートでスタッフの負担軽減と顧客対応の質の改善を実現」(SEQSENSE株式会社サービス運用責任者インタビュー。2016年設立、2019年8月に三菱地所所有オフィスビルで初号機稼働開始、主力機SQ-2の360度カメラ・エレベーター連動複数フロア巡回の仕様) jbsvc.co.jp

※役割分担の図・「置き換えでなく分担」という整理は当サイト編集部の分析であり【推定】、警察庁・各社の公式見解ではありません。各社製品の仕様・導入実績は変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

最終更新: 2026-07-22 | 参照した一次情報: 3件 | 本記事の推定値には【推定】を明記しています | 誤りのご指摘はお問い合わせ


関連セクション

← となりナビ トップへ