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自動車整備士の資格手当・年収実態——一級と二級で年40万〜130万円の差

A-SEB-05|初版 2026-08-23|改訂 2026-08-23

読了 約7分

整備士の採用面談で「資格を取ればいくら変わるのか」を具体的な数字で語れる工場長は、実はそれほど多くありません。1級・2級の資格手当や年収差は業界内で断片的にしか語られておらず、求人票の「資格手当あり」という一文だけでは若手の背中を押しきれません。本記事は公開されている業界データと求人媒体の集計値をもとに、1級・2級整備士の年収相場と資格手当の目安を整理します。

1級整備士の年収相場——ボリュームゾーンは420万〜550万円

日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の令和7年度自動車特定整備業実態調査によれば、整備士全体の平均年収は約442万円です。1級自動車整備士の年収はこれを上回る水準で推移しており、求人媒体の集計では420万〜550万円がボリュームゾーンとされています。ただし1級保持者は令和6年6月末時点で全国15,567人、整備要員総数40万2,025人のうち約3.9%という希少な資格です(国土交通省公表資料)。希少性の高さが、待遇面で評価されやすい理由のひとつになっています。

資格を評価する採用基準・賃金制度を理解した上で面談に臨める工場長は、若手の定着率が変わります。整備士のキャリア・資格制度の実務書で基礎から押さえておくと、面談で説得力のある説明ができます。

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1級と2級の年収差を生む2つの要因——資格手当と役割

1級と2級保持者の年収差は、数千円から50万円程度まで企業によって幅があります。差を生む要因は主に2つです。

要因①資格手当——求人媒体の集計例では、3級整備士は月5,000円前後、2級整備士は月1万円前後、1級整備士は月1万5,000円前後が目安とされています。ただし実際の求人(プレックスジョブ扱いの整備士求人6,689件の集計)では2,000円〜15万円と企業間の開きが大きく、高度な故障診断やEV対応が求められる職場ほど1級への手当を厚く設定する傾向が見られます。

要因②担う役割の違い——2級保持者は「車両整備の完遂」が主な職務であるのに対し、1級保持者には高難度の故障診断(スキャンツールと波形分析による原因特定)、特定整備・エーミング作業の責任者、2級・3級への技術指導、工場全体の工程管理といった「組織への貢献」が期待されます。2級の評価がこなした作業量に連動しやすいのに対し、1級は診断能力や指導力という定量化しにくい価値が評価対象になる点が、年収差の実質的な中身です。

資格取得後にどこまで年収を伸ばせるか

1級資格そのものに加えて、自動車検査員資格を取得すると月2万〜10万円程度の検査員手当が加算されるケースがあり、年収が数十万〜100万円単位で増額する例も珍しくないとされています。工場長やサービスマネージャーへの昇進では役職手当が数万〜十数万円加算され、年収600万〜800万円以上に到達する例もあります。輸入車ディーラーなど専用テスターを扱う専門性の高い職場では、年収550万〜700万円超を目指せる場合もあります。

整備工場経営者にとっての示唆

専門学校の入学者数が過去18年で約47%減少している中、若手が整備業への入職をためらう最大の理由は「結局いくら稼げるのかが見えない」ことです。「単価が上がった」というニュースだけでは不安は解消されません。自社の資格手当の実額、1級取得後の昇給カーブ、検査員資格や管理職登用でどこまで伸びるかを、採用面談で具体的な数字とともに説明できるかが、資格制度を実際の採用力・定着率につなげられるかどうかの分かれ目になります。

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出典

整備士全体の平均年収(約442万円): 一般社団法人日本自動車整備振興会連合会「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」(JASPA公開資料)
1級整備士の年収相場(420万〜550万円)・年収差(数千円〜50万円)・資格手当目安(3級5,000円/2級1万円/1級1万5,000円前後)・求人6,689件の手当集計(2,000円〜15万円)・検査員手当(月2万〜10万円)・役職手当による年収600万〜800万円到達例: プレックスジョブマガジン「1級自動車整備士の年収はいくら?平均年収や2級整備士との差、収入アップのコツを解説」(2026-03-11)
1級整備士数(15,567人)・整備要員総数(402,025人・令和6年6月末時点): 国土交通省「自動車整備事業場に従事する整備要員数と自動車整備士数」
専門学校入学者数の減少(過去18年で約47%減): 既存記事(A-SEB-02)で確認済みの国土交通省公開統計を再掲。数値は集計時点・出典媒体により幅があるため目安として扱う。


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