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A-UNS-06|初版 2026-09-08|改訂 2026-09-08
「ドライバーの有効求人倍率は2倍台」という話はよく聞きますが、記事によって2.37倍だったり2.66倍だったりと数字が揺れているのを見たことはないでしょうか。これは統計の誤りではなく、集計対象の職種区分・雇用形態・調査月がそれぞれ異なるためです。感覚で丸めず、何を比較しているのかを先に整理します。
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物流専門紙カーゴニュースの報道によれば、厚生労働省が発表した令和8年5月分の職業安定業務統計で、自動車運転従事者(いわゆる「ドライバー職」)の有効求人倍率(常用、パート含む)は2.37倍でした。前月比で0.03ポイントの低下、前年同月比では0.09ポイントの低下となり、2.5倍の水準を下回っています。ただし2020年10月以降、68か月連続で2倍台を維持しており、高止まりの状態自体は変わっていません(出典1)。
一方、配送代行会社ロジクエストのコラム(2026年5月29日更新)は、厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年4月分)」を出典に、「配送ドライバー」の有効求人倍率を正社員(フルタイム)2.66倍・全雇用形態(パート・アルバイト含む)2.40倍と紹介しています(前月はそれぞれ2.72倍・2.51倍)。同記事は、統計上の正式区分「自動車運転従事者」を実務上の分かりやすさから「配送ドライバー」と言い換えていることを注記しています(出典2)。つまり①調査月が5月分か4月分か、②常用(パート含む)か正社員限定かという2点が異なるため、2.37倍と2.66倍は同じ実体を指しながら異なる断面を切り取った数字であり、どちらか一方が誤りというわけではありません【推定=断面の違いを踏まえた比較が必要】。
出典2が示す職種間比較では、一般事務スタッフの有効求人倍率は正社員0.29倍にとどまり、企業側が選べる立場にあります。これに対し配送ドライバーは2.66倍で、1人の候補者を約3社が奪い合っている状態に近いと分析されています。全職業平均1.12倍と比べても、配送ドライバーの倍率はその2倍を超える水準です(出典2)。求職者側から見れば、勤務地・休日・拘束時間などの条件を選別しやすい、流動性の高い市場になっているとも言えます(出典2)【推定=個々の求職者の実際の選択行動までは統計から断定できない】。
2.37倍と2.66倍のどちらも事実ですが、それぞれ「自動車運転従事者・常用パート含む・5月分」と「配送ドライバー・正社員・4月分」という異なる断面の数字です。配車計画や採用戦略の資料にこれらの数字を引用する際は、区分と調査月をセットで明記することが、誤った比較を避ける最低限の作法になります。次の記事では、この需給の背景にある2024年問題後の賃金動向を整理します。
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※出典1・2は厚生労働省の統計を引用した第三者記事であり、当編集部は一次統計そのものへの直接アクセスでは同じ数値を確認できていません。正確な値は厚生労働省の公式発表でご確認ください。区分の違いに関する解釈は当編集部の推定であり【推定】を付しています。
最終更新: 2026-09-08 | 参照した一次情報: 2件 | 本記事の推定値には【推定】を明記しています | 誤りのご指摘はお問い合わせへ